青いそら~オニーとオカンと時々イモート~

これはアスペルガーのオニーとフツーのオカン、2人の20年以上にわたる成長記録である。

52*2012 オニー中学校1年生>>2

中学生になったオニーの生活は激変した。

部活はバスケ部に入り、当時は平日は毎日、土日は半日。

学研を続ければいいと思っていたオカンに反し、「ちゃんとした塾に行きたい!」しかも、「近所で学校の奴が居るんは嫌やねん。ちょい遠目が良い!」という事で探しまくり、見学に行き、試験を受け、家から電車で30分位の進学塾へ週4日通い始めた。

4月はギターも続けていたが、さすが時間的にも体力的にもムリがあり辞める事にした。

そのタイミングでオカンは12年振りに働きだした。T大学の受付、9時~17時、隔週土曜含む週3日。オニーに手がかからなくなる(ハズ)のと、徐々に夫婦仲が悪化し、結婚以来オカンがしていた家計管理を夫がすると言い出したからだ。

オカンは、夫の収入からするとかなり少額の現金とクレジットカード(後に切って捨てられる)を渡されていた。現金が足りなくてクレジットカードを使っていたら、毎月の現金をカード使用額を差っ引いて渡された事もあった。

イモートの習い事は現金払いだったし、子ども達の成長で食費は増えていく。オカンに小遣いなんて無かった。

夫にお金をもっと欲しいとは言えなかった。何故なら・・・

子ども達は、やりたい習い事でも欲しい物でも学校での出来事も何もかもオカンにしか話さなかった。きっと幼い頃からの"学習"の結果なのだろう。直接父親には話せないので、何でもオカンに相談し、オカンから「こんなんしたいらしいわー」とか「誕生日プレゼントは〇が欲しいねんてー」等と伝えたり、オカンも一緒に居る時に子ども達に言わせたりしていた。

それが夫は気に入らなかった。夫はやたらと「家族会議」をしたがった。直接自分に話して欲しかったのだか、子ども達は普段の何気ない日常会話の中で、食事中や寝る前などの会話の中で自然とオカンに話しているので、「家族会議」になっても結局オカンは先に知っているのだ。とにかく、夫にとっては面白くない。

だからお金の管理を自分がすることで、必ず自分を通す様にしたかったのだ。しかし、お金の管理が誰であろうと、子ども達が直接父親に話すことは無かったので結果は同じ。今まで通り、子ども達がオカンより先に父親に話したり頼んだりする事は無かった。

夫は気に入らない事があると、オカンにカード返して!と言ってカードを取り上げる様になった。大体数日経って落ち着くとカードを返してくれるのだが、返してくれる確証はない為、オカンは精神的にキツかった。

お金で圧をかけてくる・・・これは恐怖だった。働かなくては・・・!