青いそら~オニーとオカンと時々イモート~

これはアスペルガーのオニーとフツーのオカン、2人の20年以上にわたる成長記録である。

48***オニーとペット>>1***

オニーは戸建てに引越した頃からペットを飼いたがった。それまでは社宅だから・・・と諦めていたが、戸建てなら飼える!と思ったのだろう。

しかし、オカンは毎日散歩に連れていかないといけない犬も、家の中で飼う猫も飼う気になれなかった。

それでなくても子ども達の学校の役員や習い事の付き添い(特にイモートのダンスは親もかなり負担があった)や送迎、その上オニーの目撃情報の追跡やトラブル処理の出動等など、オカンは専業主婦とはいえそんな時間と心の余裕は無かったのだ。

流石に犬猫は買うにも飼うにも親の了承が必須だ、と分かっていたオニーが目を付けたのはハムスターだった。コーナンで900円。お小遣いを貯めれば買える。餌も高くない。散歩も要らない。

小5のオニーは行動に出た。オカンに話はしていたが許可は無いままに、ハムスターを買って来たのだ。衣装ケースの服を出し、クヌギを敷き、皿に水を入れてハムスターを飼いだした。小さなジャンガリアンハムスターの女の子。ルルと名付けた。

自分の部屋でルルを飼い始め、嬉しさの余り友達を家に呼んで見せたり触ったり。それだけではまだ足りず、ルルを外に連れ出して隣の家の子に見せる。夜にはお風呂と称して水道でジャーっと洗ったり・・・。

今考えると可哀想にも程がある。虐待だ。オカンも父親もペットを飼ったことがなく、ハムスターの育て方も何も知らなかった。今のようにスマホも無く、サッと調べるツールも無かった。

そして10日後。ルルは動かなくなった。

オニーは泣いて泣いて泣きながら、家の裏に埋めてお墓を作った。「ごめんね。」ひまわりの種もいっぱい埋めた。

しばらくして、オニーが学校の図書館で本を借りてきた。


「ハムスターの育て方」
ハムスターは環境の変化に敏感な為、ペットショップから家に連れて帰っても数日間は箱ごとケージに入れてそっとしておくこと。
運動不足にならないようにケージに回し車を入れておく。
自分で毛繕いをするのでお風呂は不要である。



これを読んでから飼うべきだったね。ルルちゃん、ごめんね・・・。

しばらくの間はさすがのオニーもまた飼いたいとは言い出しにくかったようだが、次はちゃんと飼いたいという気持ちはオカンには分かっていた。

翌年、オニーが6年イモート2年の春、今度は家族でペットショップへ行き、ケージから一式買った上で、1匹ずつ自分の責任で飼うことにした。

オニーはチョロタ(オニーに似てチョロチョロ要らん事しぃ)、イモートはハムカ(イモートに似て程よく鈍感、時にピシャっとチョロタをやっつける)と名付け、この2匹は飼育本の甲斐もあってか、2年以上、寿命を全うしてくれた。

オニーはチョロタとハムカをとても可愛がった。お世話もちゃんとしていた。これでペットは満足だろう・・・なーんてならないのがオニー。まだ振り回されるのです。