青いそら~オニーとオカンと時々イモート~

これはアスペルガーのオニーとフツーのオカン、2人の20年以上にわたる成長記録である。

33*2008 オニー小学校3年生>>4

プチ家出の翌日。どんな朝で何をオニーと話したのか記憶は全く無い。オニーが学校へ行き、イモートを園のバスに乗せて家に戻ると、オカンは慣れないパソコンに向かった。当時はスマホなんてものは無く、パソコンを立ち上げて検索を始めた。

「手に負えない子ども」「寺で修行」ついついそんな検索をしてしまう。そのうちふと思い出して「戸塚ヨットスクール」なんて調べていた。オカンは無意識のうちにオニーを誰かに預けてしまいたい、と思っていたようだ。

何故かは分からない。どこからそこへ繋がったのか分からないのだが、「幸せなお母さんになるために」というメルマガが出てきた。幸せなお母さん・・・?そんな人いるの?お母さんなんてしんどいばっかりやん・・・と思いながら何気なく読んでみた。

目からウロコ。

そのメルマガは、パピー石神さんという男性が自らの職を通して"人を育てる"という事を体感し、それを我が子の子育てに当てはめたらとても良い親子関係になったことから、様々なお母さんたちの悩みメールにアドバイスするというメルマガだった。

"褒める、認める、包む"

パピーさんは子育てにはこの3つが大切だと書いていた。褒める⇒調子に乗りませんか?認める⇒どこを??包む⇒・・・???

全くよく分からなかったが、とにかく縋る思いで過去のメルマガを読み漁った。多くは幼稚園位のお子さんの悩みで、下の子が産まれて赤ちゃん返りをしているとか、お友達に乱暴する、わがままを言ってきかない、などで、もう小学校3年生のオニーとは悩みの種類が違った。

しかし、パピーさんのお返事メールを読んでいると、その子がどうしてその様な事をするのかをよく見て、その子のする事を否定せず、一旦認めてあげて包み込んであげる。そして包み込んだ中で教えていく・・・というのがベースの様に感じた。悩みの内容は違えど、全てはそこに尽きるのかも・・・。今までの自分はどうだっただろう?

オカンは無意識に、やりにくいオニーとやりやすいイモートを比べていたのかもしれない。そういう態度を敏感に感じたオニーは自分とイモートを比べて、イモートはえーよなーとか言ってオカンや父親に怒られていた。しかし、オカンこそが比べていたのかも。思い通りにならないオニーを、何とか思い通りとまではいかなくても、少なくともオカンの許容範囲内(かなり狭かったが💧)にさせようと必死だったのかも。"やんちゃだけど礼儀正しい子"でいて欲しいのはオカンの世間体のためだった・・・。

パピーさんのメルマガを読めば読む程、幸せなお母さんになる為の1番の弊害は世間の目を気にするオカンの心だ、と気付かされた。オニーを変えよう、変えようと躍起になっていたが、違う。問題はオカンにあったのだ。オカンこそが変わらなければならない。

真っ暗な場所で膝を抱えていたオカンに一筋の光が見えた瞬間だった。