青いそら~オニーとオカンと時々イモート~

これはアスペルガーのオニーとフツーのオカン、2人の20年以上にわたる成長記録である。

49***オニーとペット>>2***

ハムスターを飼い始めて数ヶ月。チョロタもハムカも2人が可愛がり、ちゃんと面倒をみていた。オカンも初めて飼うペットにメロメロで、ハムカちゃーん♥と可愛がっていたら、イモートが「ママはハムカばっかり(。•́ - •̀。)」と言って泣いた事があった。ちょっと嬉しかった(笑)

その夏休み、家塾をやめて近所の公民館でやっている学研に通うようになったオニーが、コウモリを連れて帰って来た。学研の教室に入ってきてカーテンにからまったコウモリを捕まえ、先生にビニール袋を貰って入れて帰って来たのだ。

「コウモリを飼う!」また厄介な事を・・・💧オカンはハムスターの経験から、苦手なパソコンを立ち上げて調べた。


「コウモリの育て方」
主食は生きた昆虫類。コオロギなど。飛んで逃げない様に手足をもいで与える。
ダンボールを逆さまにしてその中で飼う。
コウモリは人に懐かない。


えーっと・・・。一緒にパソコンを見ていたオニーに、「それでもえーのん?」「飼う!」「アンタ、虫苦手やのに、コオロギ触れるん?」「それは無理や。オカン、お願い!」「・・・💧」コオロギの手足をもぐのも食べさせるのもオカンかい!ほな、オニーは何を楽しみにコウモリを飼うのだ!?

しかし、ここでコウモリを飼わなければ、どうせまた捕まえてくるに決まっている。「ほなスーパーでダンボールもろてこよ。ほんでコーナン行ってコオロギ買お。」「うん!!」コウモリがペットに加わった。どうやら、色々動物を飼っていることに憧れたようだ。ハムスターとコウモリとコオロギ。あ、コオロギはペットちゃうか。

ハムスターはフワフワしていて触っても気持ちいいし、見ていても可愛いし、懐くし、手ってで餌を持ってハムハム食べる姿は見ているだけで癒される。だがコウモリはどうだ?まずダンボールを逆さまにしてるので姿は見えない。コオロギが居なくなっている⇒食べてる⇒フンしてる、なので生きているのだろう、という程度で何の楽しみも癒しもない。オニーの部屋で飼っているとはいえ、気味が悪い。

数日後、そーっとダンボールを覗いたら、なんともぬけの殻ではないか!えーー!!コウモリさーん!どこ行ったー!?探せ、探せー!!オニーとオカン、狭い6畳の部屋を探し回った。不気味なフンとコオロギだけを残して居なくなった・・・。

オニーが学研の先生にその事を話たら、先生が「あらー、大変。コウモリは寄生虫がいるから気を付けた方が良いよー。」と言ったらしく、「オカン!オカン!コウモリって寄生虫いるねんて!キモい!キモい!!」と慌てて帰って来た。

窓を全開にし、部屋中探して大掃除。もちろんコオロギさんはサヨウナラ。ダンボールも捨てた。結局コウモリは何処に行ったのか分からなかったが、いつの間にか出て行ったと思うことにした。

それ以来、オニーは二度と毛のフワフワした動物以外飼いたいとは言わなかった。


数年後、イモートが言った。「オカン、ほんまそんなヤツ居らんで。」「デスよね・・・。」今となってはネタの1つである。