青いそら~オニーとオカンと時々イモート~

これはアスペルガーのオニーとフツーのオカン、2人の20年以上にわたる成長記録である。

46*2011 オニー小学校6年生

小学校最終学年の6年生。担任は30歳位の男性S先生。オニーにとって初めてハマった男の先生だった。

S先生はとにかく何でもスピーディ。授業は勿論、朝の会や給食の準備、掃除、何でも7クラスで1番早い。オニーにはそれがとても性に合ったようだ。

"待つ"事が何より苦手な"今、今病"のオニー。自分のペースでしか動かない。(これは未だに変わらない。)公立の学校では遅い子に合わせる傾向があるので、さっさと出来る子は待つことになる。そこでイモートの様に遅い子の面倒を見れる子なら手伝ったりするのだろうが、オニーは違う。自分が終われば後は「まだー?」とヤジを飛ばすか、要らんことをして時間を潰すか、どちらかである。

しかし、このS先生はオニーにとって心地よいペースで事を運ぶので、オニーはS先生が大好きだった。なので特にオカンが呼び出される様な大きな問題を起こす事もなく(色々あるにはあったようだが)、個人懇談が3人分の時間で予定される事はなかった。これは初めてだった。

3学期、最後の個人懇談でS先生はこう言った。「オニーは大分落ち着いてきたように見えます。僕はああいう子、好きなんですよね。もし、小学校に7年生があるなら、僕はもう1年オニーを見ていたいです。」

なんて珍しい先生なんだ!オカンがジーンときているところに先生は続けておっしゃった。

「これから思春期真っ只中に入ります。お母さん
、まだまだ大変だと思いますが、頑張って下さい。」

ん?えっ?今年、かなりイイ感じでしたよね?もうこれで落ち着くんじゃないんですかぃ?

人生において、中学生の男子と接した事がほとんど無かったオカンにとって、S先生のまだまだこれからが大変、というのはピンと来なかった。

しかし、そう。S先生の予言通り、オニーの中学
時代はオカンの想像を絶するとんでもない3年間となるのであった・・・。


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