青いそら~オニーとオカンと時々イモート~

これはアスペルガーのオニーとフツーのオカン、2人の20年以上にわたる成長記録である。

21*2006 オニー 小学校1年生>>3

なんとオニーは野球がクソ下手だった。バットに球を当てれないから塁に出れず、いくら足が速くても役に立たない。その上礼儀がなっておらず、コーチに叱られる。気分が乗らないとスイッチが切れ、他のことをしだす。

そんな息子の姿を見ることを、父親はとても嫌がった。その場に居るのが恥ずかしい。せめて上手ければ・・・。父親もまた"似た者夫婦"、オカン以上に世間体をめちゃくちゃ気にする人だったのだ。

野球の帰り道で説教、風呂の中で説教、夕飯の時はオカンに愚痴る。「せめて上手けりゃまだ【自分の立場が】ええけど、下手くそやのに挨拶も出来んであんな態度、他のコーチに【俺が】恥ずかしいわ。」「○○くんとか凄いちゃんとしてるのに。」「見てて嫌になる。」云々。

毎回それを聞いていたオニーはどんな気持ちだったのだろう。もうその頃から父親の話は耳ちくわ(聞いてない)だったのだろうか。オカンはいつも自分が責められている様に感じていた。「オマエノシツケガワルイカラオレガハジヲカクノダ」そう聞こえていた。

オニーと父親の距離は縮まるどころか更に広がってしまった。そして夫婦の距離も・・・。結局、オニーは半年で野球を辞めた。下手で面白くない上に父親の説教が嫌だったのだろう。

オカンも父親も、理想は「やんちゃだけど礼儀正しい子」だった。だが、オニーはどんなに教えても、誰にでも挨拶しているオカンの姿を見ても、他所では知らんが社宅の人には挨拶していた父親を見ても、自分の"好き"な人にしか挨拶しなかった。そしてスイッチが切れると今までしていた事にも興味を失い、他のことをやり始める・・・。

それはハタチの今も、である。「なんでマンションで会う知らん人に挨拶せなアカンのん?イミわからん。」「なんならちょいニラむ時もあるでー( •̀∀•́ )✧」・・・なんでや!?イミわからん、の意味が分からない。猿山のサルのマウンティングか?これもアスペルガーだからか??

今だに分からない、オニーの思考。イモートに話すとこう言われた。「なんで挨拶せんと睨むねん?意味分からん。それは常識、やろ。」そう、常識。オカンやイモートが"常識"と認識している事が、オニーには常識ではなく、イミのわからない、理解出来ない事なのだ。

親の背中を見て子は育つ。オニーはどこの誰の背中を見て育ったのだろう??