青いそら~オニーとオカンと時々イモート~

これはアスペルガーのオニーとフツーのオカン、2人の20年以上にわたる成長記録である。

20*2006 オニー 小学校1年生>>2

小学校に入ると直ぐに、活発男子達は皆野球かサッカーのチームに入った。その事に気づき、一足遅れてオニーも興味を示した。特にどちらが好きということは無かったが、流行りには乗りたいオニー。オカンはオニーをどちらも体験に連れて行った。オカンは足の速いオニーにはサッカーかなぁと思っていたが、やんちゃな子達が既に野球チームに居たことから、「野球!」となった。

まぁ、いいだろう。オカンは野球にもサッカーにも全く興味がない。それにどうせオカンが何を言っても聞くまい。「オカンが野球させてくれへんかったから・・・。」「今頃プロ野球選手やったかも・・・ 。」なんて10数年後に言われてはたまらない。

野球チームに入ると、土日は練習か試合。母親達には当番があり、お茶を8リットリ作って持って行ったり、コーチに飲み物を出したりする。当番でなくても熱心な母親達(ばかりだった💧)は我が子を見る為に毎回学校へ出向いていた。下に弟や妹が居る人はその子も一緒に連れて来て、運動場の隅で遊ばせていた。

下の子が女の子の場合は可哀想で、連れて行かれてもヒマやわ、暑いわ、寒いわ、ロクな事がない。泣いて嫌がる妹の為に犬を飼ったという人も居たくらいだ。

オカンの悩みは、折角入れたボーイスカウトと両立出来るのかと、スイミングをどうするか、という事だった。

ボーイスカウトでも活発な子達は野球やサッカーに流れ、辞めていく子も居た。結果、大人しい子だけが残り、オニーは物足りなくなっていた。しかしオカンは、オニーの性格上、スポーツよりボーイへの思いが強かったので、月2回のボーイを優先させる事をオニーに約束させた。野球チームでも事情を説明すると、1年生はまだ試合も少ないので休んでも大丈夫、との事。クリア。

スイミングは短期間でどんどん級を上げていたので、そのまま選手コースへの道があった。しかしオニーは惜しげも無く「スイミングは辞める!」と言う。ジージと風呂屋へ行って泳げたから習いたい!と言い出してまだ2年にもならないのに、既にバタフライ、最終泳法段階。折角なので、4泳法終わったら野球チームに入ろう、と言うと納得し、更にスピードを上げてバタフライも終わらせた。

よし。では野球を始めよう。

実はオカンには、この野球チームに大きな期待があった。野球チームのコーチは、子どもの父親達で、入部すると父親は必ずコーチに誘われる。スポーツは何でもそこそここなすオニーの父親がコーチとして入ってくれれば、オカンは毎回付いて行かなくて済むし、イモートも行かなくて済む。少し開きつつあった父子の距離も、共通の活動をする事で良い方向へ向かうのでは!?いや、向かってくれ!!

だが、このオカンの狙いは見事に外れた・・・。


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