青いそら~オニーとオカンと時々イモート~

これはアスペルガーのオニーとフツーのオカン、2人の20年以上にわたる成長記録である。

36***オカンの決心***

パピーさんへの相談メールの内容は様々なのだが、よくよく読んでみるとパピーさんの返事の内容はほぼ全て同じだと気付いた。

つまり、どんな時でも"認め"て"包む"のだ。子どもが何故そんな態度をとるのかを考え、子どもの行動を認め、包んであげる。その場の感情だけで怒ったり、時間をケチって適当に誤魔化したりしない。アスペルガーだからではない。全ての子どもに、いや、子どもだけでなく全ての人に当てはまるというのだ。

子育てで夫婦仲が悪くなっている(ウチもそうだが)という相談も多く、パピーさんは「人は愛情の電池が切れると人に優しく出来なくなるので、ご主人にも愛を注いで認めて包んで下さい。」と言っておられた。子どもも大人も同じ。確かにそうだ。

夫にもメルマガを教え、読んで欲しいと伝えた。オカンは家族みんなで仲良くしたかった。オニーと上手くいかない夫にもこれを読んで、どうすればオニーと上手くやれるか考えて欲しかった。

私が感じる限りでは、オニーが幼稚園の年長頃から既にオニーは父親に?(=違和感)を感じ初めていた。小学生になってからは父親に肝心な事は言わなく(言えなく)なっていた。何故ならいつも否定から入られる、と気付き始めていたから・・・。

当時は"まだ"8歳。オカンだけでなく父親との関係も何とか改善して欲しかった。それにはまず親から変わるしかない。親が変われば子どもも変わる。しかし、オカンが「私はオニーとの関係を改善する為に、まず謝ってん。」と言ったら、「なんで親が子どもに謝らなアカンねん?」と不機嫌になってしまった。

・・・ごめん。もうムリかも。私は大切な我が子を守る為にアンタを切る。

それまでオニーに対して夫をフォローし続けていたオカンだったが、もう時間がない。オニーに全力でぶつかる為には、夫の愛情の電池を充電する時間も気力も無かった。オカンの話をちゃんと聞いてくれず、言っても「言わなきゃ良かった・・・。」という返答しか返って来ない夫との会話で、二次被害的に傷付くのももう耐えられなかった。

オカンは大きく舵を切り、決心した。私の使命はオニーとイモートをちゃんと育て上げる事だ。もう夫から言われる事で自分を責めたり悩んだりしない。夫や世間に振り回されず、オニーとイモートとしっかり向き合って、一緒に考えながら生きていく。間違ってたら謝る。分からなければ一緒に考える。子どもと共に成長していこう。

世間なんて、クソ喰らえ!!

オニーとの新しく幕開けした舞台の真ん中に夫は居なかった。隅の方で時折セリフを放つ。しかしまだその頃は、それでも辛うじて舞台上に存在していた。今ではもうオニーの舞台に、いや家族の舞台に父親は居ない・・・。