青いそら~オニーとオカンと時々イモート~

これはアスペルガーのオニーとフツーのオカン、2人の20年以上にわたる成長記録である。

26*2007 オニー小学校2年生>>2

2年生の参観日。教科はオニー得意の体育、体育館でのマット運動だった。8枚位ひかれたマットに4、5人ずつに分かれて前転や後転をしていた。

ピー!美人先生が笛を吹いた。「皆1回集まってー!」生徒達はパタパタと走って集まってきた。「オニー💢」いの一番に走って来たオニーに、美人先生が「ちゃんとしなさい!!」と怒った。「???」初めは何で怒られたのか全く分かっておらず、頭に??の生えたオニーだったが、参観日に皆のお母さんの前で怒られたこともあり、ヘソを曲げてしまった。オニーにもうヤル気はない。残り時間は不貞腐れて何もしなかった。

一部始終を見ていたオカンはピーンときた。オニーとの付き合いも早8年。まさか我が子がアスペルガーとは知らなかったし、アスペルガーが何かも知らなかったオカンだが、流石に我が子がフツーでないことには気付いていたし、(仕方なく)認めていた。普通の子に理解出来る事が理解しづらいことも、納得するまで納得出来るように説明してあげないと次に進めないことも。

オニーは何故怒られたのか?

マット運動のマットには運動する時以外乗ってはいけない。おそらく最初のマット運動の時に注意を受けていただろう。移動する時にはマットの上ではなく、周りを通る様に、と。あの時、オニーはマットを突っ切って1番に美人先生の所へ走って行ったのだ。オニー以外は皆、マットの周りを走って集まったのに・・・。

もし参観日でなければ、美人先生もオニーに怒った理由をきちんと説明する時間をとってくれたかもしれない。だが、その日は何の説明もなく、先生への不信感を募らせていたオニー。夕飯の時、オカンはオニーに聞いてみた。

「オニー、何であの時美人先生に怒られたか分かる?」「分からん!何でオレだけ怒られなアカンねん!?皆走ってたやん?」やっぱり。オニーは分かっていなかった。

「あのね、オニー。マット運動のマットって、運動する時以外上に乗ったらあかんことない?」「あー!」「オニー以外の子は皆、マットの周りを走って集まってたで。オニーだけマットの上突っ切って走って来たやろ?それで怒られてんで、きっと。」「ほんならそぅ言えばえーのにな!」オニー納得。

全く悪気なく、何で怒られたのか分からずむくれていたオニー。理由を説明し、納得すればストンと落ちるのだ。たまたまその日は参観日で、オカンが一部始終を見ていたから先生とオニーのすれ違いに気付いたが、日常の中でこの様な事はきっとあるのだろうなぁ。先生にはオニー以外に30人以上の生徒が居るのだから。九九ももしかしたらそういう何か小さなすれ違いがあったのかも知れない・・・。

オニーには取扱説明書が要る。そう思った。オカンが毎日教室の後ろで見ている訳にはいかないのだから。西野カナのトリセツよりも前に、オカンはオニーのトリセツを考え、学年が上がり担任が変わる度にお知らせする事にした。

オニー、取扱注意⚠