青いそら~オニーとオカンと時々イモート~

これはアスペルガーのオニーとフツーのオカン、2人の20年以上にわたる成長記録である。

27*2007 オニー小学校2年生>>3

この頃住んでいた社宅は最寄駅まで徒歩5~6分。駅前にはダイエーマクドミスドもある都会だった。

ある日の夕方、友達と遊んで帰ってきたオニー。いつもなら直ぐにオカンとイモートと3人で夕飯なのだが、何故かご飯に手を付けない。オカンが「オニー、お腹減ってへんのん?」と聞くと「うん・・・。ちょっとおやつ食べ過ぎたかなぁ・・・。」と歯切れが悪い。ご飯を前にお箸は持つが、もじもじしているだけで全く食べていない。明らかおかしい。

ピロピロピ~♪電話が鳴った。出ると、さっきまで遊んでいたs君のお母さんからだった。「ご飯時にごめんね~。オニー、夕飯食べてる?」「え?なんかおやつ食べ過ぎたみたいで、全然食べてないです。」「やっぱり・・・。」

s君のお母さんの話によると、s君も夕飯を全く食べず、問いただすと駅前のマクドでセットを食べ、横のミスドでドーナツまで食べたと白状したらしい。s君とオニーともう1人の3人で。そこで疑問が。お金は??

「うちの子がこないだおじいちゃんから貰った1万円を持っていったみたいなんよ。」「えっ!もしかしてウチのオニーが奢れって言ったんですか?」「いや、そうではないみたいよ。うちの子が勝手にお金持ち出して奢っただけみたいやから、オニーを怒らんといてね。ごめんね。」「すいませんでした・・・💧」

電話に聞き耳を立てていたオニーは、バレたと勘づいた。ヤバっという顔で固まるオニー。「オニー、どういうことや?」「えーっと、s君がなんかお金持ってて、マクド食べよーってなって食べて、ミスド食べよーってなって・・・食べた。」

オカンは人に奢って貰うのも奢るのも、お金を借りるのも貸すのも大嫌いだ。若い頃に、貸したお金を返してと言えずにモンモンとした事や、ギブ&テイクでない関係にモヤモヤとした事があるからだ。まして子どもが。自分のお金、とは名ばかりで、親や親絡みで貰ったお金は親の金である。子どもが親の金で友達に奢る奢られるなんて言語道断。オカンは絶対に嫌だった。

そしてもう1つ気になった事。s君は自ら1万円を持ってきて、たまたま3人で食べに行ったのだろうか。ここからはオカンの妄想だが、学校で「こないだおじいちゃんから1万円貰った!」と話すs君に「えーなー!ほななんか奢ってやー!」と何気なく言ったのではなかろうか。背も高く、何かと目立つ存在のオニーにそう言われて、少し怖かったのでは・・・?

今となっては真相は分からないし、s君のお母さんも、もしs君がオニーに奢ってと言われたとしても、今後の我が子の立場を鑑みて、オカンにも言えなかったのかも知れない。

なんだかなぁ・・・。我が子を信じられないオカン。自分は親失格なのか?信じてあげるのが良い親なのだろうに、相手が言ってもないのに我が子を疑うなんて・・・。信じている部分もある。悪気がないことは信じている。でも信じきれない部分もあるのだ。

心の底から「私は我が子の言う事を信じます!」そう言い切れる親は居るのだろうか・・・?