青いそら~オニーとオカンと時々イモート~

これはアスペルガーのオニーとフツーのオカン、2人の20年以上にわたる成長記録である。

16*2005 オニー 年長時代 >>4

どうやらオニーは関西でもかなりのやんちゃなようで、大人しい子が多い幼稚園ではいつも怒られていたらしい。幸い、「ちゃんと園選んだん!?」と疑うような子が1人だけ居り、直ぐにオニーと仲良くなった。その子の幼馴染みと社宅の子(この2人はやややんちゃ程度)と4人で、園ではいつも遊んでいた。

怒られてもまったくへこたれないオニー達は、ある日先生に、「そんなに言うこと聞けない子は年長さんとちゃうね?赤組さん(年少組)に行きなさい!」と激怒されたが、「はーい!」と4人で赤組さんの部屋へ行ったそうな。オニーはその日、「今日は赤組さんでめちゃオモロかったーヾ(^。^)ノ」と帰ってきた。先生方にとったら可愛くないやりにくい子だっただろう。特に主犯格の2人は・・・。

ある日、園から帰ってきた子ども達がそのまま社宅周りで遊んでいて、母達はそれを見ながらお喋りをしていた。1人の大人しい男の子がボソッと「オニーは悪い子やからいっつも怒られてる。」と言った。オカンが反射的にその子に「ごめんねー💦」と言ったその時、「オニーが悪い子やって誰が言ったん?」厳しい声でその子の母親が聞いた。「えっ・・・センセイが・・・」消え入りそうな声でそう言う我が子に向かってその母親は、「オニーは悪い子じゃないよ。悪い事をした時に怒られてるだけ。悪い子なんておらんよ。」と言い切ったのだ。

オカンはビックリ仰天Σ(°д°ノ)ノ オカンもどこかでオニーを"悪い子"と思っていたのかもしれなかった。だから咄嗟に「ごめんね。」という言葉が出たのだ。どんな躾をしたらあんな子になるの?親の顔が見てみたいわ!と、誰からも直接言われた事は無かったが、自分がそう考える人間だから、自分もそう思われていると勝手に思い込んでいたのかも知れない。最近の子は大人にとってお利口な事が多いけど、昭和だったら許されていた程度なのかも知れない。

でも。やっぱりオカンはフツーが良かった。フツーであって欲しかった。それでなくても少し日本人離れした顔立ちで目立つオニー。引き際が分からず、いつまでも最後までしつこくて怒られるオニー。みんなと同じ、フツーでいて欲しい。オカンは常にそう願っていた。

そんなオカンに、「オニーは悪いことをしたから怒られただけ。」という言葉は、とても考えさせられたし、救われた。咄嗟にそんな言葉が出るその母親が、オカンと同い歳で大人しいひとりっ子の母親だとは。とても心に響いた出来事だった。

今思えば、当時も色々辛く悩んでいたが、救いも沢山あった。オカンはいつも周りの人に助けられていた。神様は乗り越えられない試練を与えないのではなく、乗り越えられるように試練と共に救いも与えてくれるのかもしれない。

オニーは悪い子じゃない。Hさん、ありがとう。