青いそら~オニーとオカンと時々イモート~

これはアスペルガーのオニーとフツーのオカン、2人の20年以上にわたる成長記録である。

12*2005 オニー 年長時代 >>1

この頃オカンがオニーに対して気になっていた事、それはオニーの”想像力と思いやりの欠如”だった。

オニーは道で落し物を拾うと、それを溝に投げ捨てたり、踏んづけて壊したりしていた。いくらオカンが「落とした人はどんな気持ちかな?見つけた時にこんな風に壊されてたらどう思う?」「もし逆の立場だったらどうして欲しい?」と言っても馬耳東風。

そんなある日、オニーが幼稚園から半べそで帰ってきた。「ポケモンのキーホルダー無くなった😭」少し前にポケモンセンターで買って幼稚園バックに付けていたお気に入りのキーホルダーが、ボールチェーンごと無くなっていた。

チャンス到来!!オカンはオニーと一緒にオニーが歩いたであろう道を辿り、溝や道端を探し歩いた。すると。フェンスの少しの出っ張りに、オニーのキーホルダーがかけてあるのを発見した。「オニー!見てみ!ここにあったよ!拾ってくれた人が見つけやすいように引っ掛けてくれてはるわ!良かったね!」「うん!!」「これからはオニーもこうしてあげようね。」嬉しそうにキーホルダーを握るオニーを見て、神様が体験させてくれたのだ、と感謝するオカン。

ところが。オニーは変わらなかった。相変わらず落ちてる物は捨てるか壊す。なんで??あの神様からの贈り物体験はなんやったんや!?

オニーに「なんでなん!?自分がして貰って嬉しかった事を人にしないとあかんやん?」と言っても「んー?」と反応が薄い。えっ?この子心が無いの?オカンには信じられなかった。悪気は無さそうだか、思いやりが・・・あ・・・同じだ・・・💧この子もか!?

オカンは、悪気は全く無く、間違った事は言わないのだか、言い方や行動に思いやりがない夫に”思いやり欠乏症”という病名を密かに付けていた。過度な想像力の欠如から人の気持ちを思いやることが出来ないこの病気。遺伝、恐るべし。

さて・・・これからこの子にどうやって人の気持ちを教えていけば良いのだろう?