青いそら~オニーとオカンと時々イモート~

これはアスペルガーのオニーとフツーのオカン、2人の20年以上にわたる成長記録である。

10*2004 オニー 年中時代 >>2

6月、新しい幼稚園に通い出したオニー。朝、社宅前に年少~年長10人程が集まり、子どもの足でも10分足らずの園まで、迎えに来てくれる先生と一緒に歩いて登園する。下の子が居る親にはとても有難いシステムだった。

社宅の母達は関西人が多数で、朝子ども達を見送った後のお喋りは楽しく、「これこれ!これぞ関西!!」とオカンは大満足だった。

ところが。どうやら定員割れしていたこの幼稚園には定員割れするだけの理由があったのだ。

ある日オニーが園から帰って来て、「なんで幼稚園で戦いごっこしたらアカンの?」と聞いてきた。前の園では、先生が一緒になってデカレンジャーの拳銃をチラシで作ってくれ、毎日戦っていた。「そんなことないやろー。誰が言うたん?」「先生。」「えー!そうなん!?」「だからな、先生居らんとこでやってんねん\( •̀ω•́ )/」と、ドヤ顔のオニー。

オニーの言うことが本当かを確かめるべく、園に電話をして聞いてみた。すると、なんと「そうです。ウチの園では戦いごっこは禁止しています。」との返事。理由は危ないから。先生の目が届かない所で怪我でもしたら大変だから。・・・いやいや、そんな幼稚園ある?ライダーやレンジャー見て戦いごっこするのって幼稚園児がメインちゃうのん?今せんかったら何時するの!?しかも理由が危ないから、って、その辺を経験させてどこまでしていいかを教えるのが幼児教育ちゃうのん??

オカンは納得がいかず、まずは園の母達に聞いてみた。そして更に驚いた。「そーよー。ここの園は音楽に力を入れてる幼稚園やから、ヤンチャな子や活発な子達はよその園にいくんよー。」「音楽会では下手な子はカスタネットさせられて、あいだに布挟んで音出ないようにされるんよー。」

定員割れ・・・。納得。いや、納得してる場合ではない。とりあえず、先生に「ウチのオニーはお友達と隠れて戦っているそうです。その方がよっぽど危ないので、時間を決めて少しの時間でも良いので戦わせてやって下さい。」と頼み込んだ。しぶしぶながらも「分かりました。」とお許しを頂き、オニーは晴れて園で戦えるようになった。とはいえ、この幼稚園で戦いを求めていた子は少数だった・・・(^_^;)後日談であるが、オニーの卒園後、また戦いごっこは禁止になったそうだ。

関西に帰れば・・・と期待していたが、ここでもまた波乱含みのスタートだった。