青いそら~オニーとオカンと時々イモート~

これはアスペルガーのオニーとフツーのオカン、2人の20年以上にわたる成長記録である。

43*2009 オニー小学校4年生>>3

4年生の2学期、オニーのクラスは荒れていたようだった。担任の言うことを聞く生徒は少なく、授業もまともに出来ていなかった。教室の後ろには常に教頭先生やO先生が入ってなんとかクラスを保っていた。

これがウワサの学級崩壊なのか!?しかし、保護者への説明は特に無かったので、オカンは学級崩壊と認識していなかった。オカンは園の役員メンバーから、「オニーのクラスヤバいみたいやで。あの先生、また学級崩壊させてるらしいやん。」と言われて、そーなん!?でも何も学校から言われてないで??と思っていた。

そんなある日、当時専業主婦だったオカンが家の掃除をしていると、担任から電話がかかってきた。興奮した声で、「さっき、オニーが私をブジョクしました!!授業は聞かないし、勝手な事ばかりして・・・ウンヌンカンヌン!!!」と一方的にギャンギャン喚いている。何を突然言われているのか分からなかった。時計を見ると、2時間目と3時間目の休み時間っぽい。ナゼそんな時間に??散々喚いてチン!と切られた。何だったんだー???

3学期。担任は保護者に何の挨拶もなく突然居なくなり、新しく若い女の先生に変わった。クラスは一気に落ち着いたようだった。3学期という短い期間だったので、新しい担任はほとんど印象に残っていないのだか、1つ、とても重大な事を教えてくれた。

3学期の個人懇談で、性格や行動については特に言われた記憶がないのだが、その1年、オカンもすっかり忘れていた事を言われた。勉強面のことだ。1、2学期の懇談では全く触れられなかった成績。通知表もできるとできないの2択ぐらいだったので、大して気にしていなかったのだが、どうやらオニーは算数も漢字も全く出来ていないらしい。

「オニーは今まで宿題も全くやってなかったようです。4年生からは授業内容が濃くなり、特に算数ではとても重要な単元を習ってます。このままでは5年生でついていけないかも・・・。」

えーーー!!!ちょっと、ちょっと!どーゆう事ですかー!?授業聞いてない、宿題してない、それをほぼ1年ほっとかれたって事ですかー!?教えてもくれずに??

確かに4年生位から塾にいく子も増える。勉強も難しくなるのだろう。もうすぐ5年生。オニーも塾に行かすか・・・ん?いや、待てよ。4年生の事が全く出来ていないのに5年生として塾に行かせて大丈夫なのか?4年生をやり直さないといけない。そうなると個別塾?くそっ!あの担任め( -᷅_-᷄ )とんでもない嫌がらせをしてくれたな!!

オカンは考えた。そしてオニーに相談した。

「オニー、4年生の算数分かる?」「ん?知らん。」「やんな。塾いく?それともオカンが教えよか?」

オカンは学生時代、家庭教師も塾講師も経験していた。我が子に上手く教えられるか分からなかったが、やり方は分かっていたし、自信もあった。ただ、親子、ってのが不安材料だった。

塾に行くと遊べなくなるのが嫌だったオニーは、「ほなオカンで。」と、あっさりオカンを選んだ。「よし。とりあえずオカンとやってみよ。あかんかったらその時また考えよか。」週に2回、20:00にイモートをベッドにほりこみ、21:30まで勉強。家塾(いえじゅく)が始まった。

なんとこの家塾、オニーが6年生の夏休み前まで続いた。まさか我が子に家庭教師をする事になるとは思わなかったが、昔取ったナンとやら、人生にムダは無いものである。